AMATA・美香さんが指南!頭皮・髪ダメージを改善して美髪をキープする正しいヘアケア

AMATA・美香さんが指南!頭皮・髪ダメージを改善して美髪をキープする正しいヘアケア

BEAUTY

Aug 28, 2020

秋になると頭皮と髪のトラブルが増えてくるのは、紫外線やクーラーによる乾燥のほか、海水やプールの塩素、大量の汗や皮脂による汚れなど、夏に受けたダメージが表面化してくるから。夏の髪を取り巻く環境は私たちが思っている以上に過酷なもの。これからやって来る秋冬に夏のダメージを持ち越さないために今日からできるデイリーケアを、東京・南青山の人気ヘアサロン「AMATA(アマータ)」オーナーで毛髪診断士®でもある、ビューティ・プロデューサーの美香さんに教えていただきました。

ダメージ髪をツヤ髪にするスペシャルなケア法

夏のツケが秋に来る!? 紫外線における髪への影響とは?

連日の猛暑で汗の量も増え、頭皮の毛穴は皮脂で詰まりがち……。さらにジリジリと照りつける真夏の太陽を浴びていると、キューティクルが剥がれ落ちたり変色したりと髪のダメージはいよいよ深刻に。

夏は髪のコンディションが悪くなりやすいという方も多いのではないでしょうか。ですが、これから来る秋は一年の中で最も髪の傷みを実感しやすい時期なのだとか。

「頭皮のダメージは3ヶ月前のアクションが表れるといわれています。秋になると抜け毛やパサつき、フケ、かゆみなどが気になり出すのは、夏の間に溜め込んだ紫外線によるダメージや急激な温度・湿度変化、そして血行不良によるもの。そしてそのダメージを冬まで引きずってしまうと、髪が乾燥していることで静電気が起きやすくなるので要注意!」(美香さん)

女性にとって大敵の紫外線は4月頃から徐々に増え始め、ゴールデンウィークを過ぎると一気に日差しが強くなり、5月から8月がピークになります。紫外線が当たることで頭皮は酸化し水分を奪われ、老化していきます。その結果、髪は細くなり、抜けてしまうというメカニズムになっているのです。

「枯れた土壌に草が生えにくいのと同じで、頭皮が硬くなると、毛包壁も弾力を失い毛球が萎縮し、毛管が細くなります。そうすると、ふっくらとした毛球にならないので抜け毛や細毛につながり、やがて薄毛になってしまいます」(美香さん)

常日頃から紫外線対策を心掛けて

夏だけでなく、外に出れば必ず紫外線は降り注ぐため、まずは日頃から予防しておくことが大前提。コンパクトなまとめ髪にしたり、大きい帽子をかぶったり、日傘を差したり、髪をなるべく紫外線に当てないようにするのがカギ。通気性の良い帽子や、UV遮光率の高い素材を使用した日傘など、機能性の優れたアイテムを選ぶと安心です。

「髪専用のスプレー式のUVカットトリートメントや大気汚染物質が付着しづらいオイルなどのプロダクトもおすすめです」(美香さん)

受けてしまったダメージを修復するには?

「一度傷んでしまった髪は元に戻りません。なので、ダメージの進行をいかに早い段階でストップさせるかがポイントになります。夏に受けてしまったダメージがある方は、秋になる前に流出してしまった栄養分を補うことが大事です」(美香さん)

夏が終わると空気が乾燥し、気温も低下し始めます。湿度が高い夏は、うねりや広がりに悩まされながらも、空気中の水分を吸収して髪はパサつきの少ない状態だったはず。一方、秋から冬にかけて空気中の水分量がぐっと減ります。それに加えてダメージを受けた髪は、剥がれたキューティクルから髪内部の水分やたんぱく質が流出しがちです。乾燥してパサついたダメージヘアを放っておくと、ダメージはより一層進行してしまうのです。

「乾燥が気になるこれからの季節は、毛髪の水分量をいかに逃がさずキープするかを意識して。手軽に毎日できるのが、タオルドライ後のウェットな髪にオイルを馴染ませてドライヤーで乾かす方法です。高温を当て続けないことと、オーバードライに気をつけて。そして最後に必ず冷風を当てるのを忘れずに。キューティクルが閉じることで髪内部の水分が逃げにくくなるため、仕上がりに大きく差が出ます」(美香さん)

髪が濡れたままの状態はNG!艶髪にするためのドライヤーテクニック

頭皮マッサージをする様子

おすすめは髪を乾かしながらできる頭皮マッサージ。女性は頭皮が乾燥しやすいので、オイルをなじませながら行うと◎

ドライヤー前にヘアオイルをつけて熱から髪を保護

ドライヤー前にヘアオイルをつけて熱から髪を保護しましょう。髪の表と裏の両面を挟むように均等になでつけて

ドライヤーは髪の根元から乾かす

ドライヤーは髪の流れに沿って、頭頂部から毛先に向けてかけます。逆にするとキューティクルが逆立ち、パサつきの原因に。逆の手で髪をとかし、少しテンションをかけて引っぱりながら風を当てましょう。8割ほど温風で乾かした後は、後は冷風で仕上げると、髪を乾かしすぎることもなく、つややかな髪に仕上がります

コロナの影響によるストレスが頭皮にも影響!?

さらに、美香さんによると、今年は紫外線以外にも髪や頭皮に大きなダメージを与える原因となるものがあるそうです。

「実は頭皮はストレスにとても敏感。今年はコロナ禍によるストレスで気分が落ち込んだり、生活リズムが乱れたりした人が多いと思います。不安で体がこわばれば、血行不良になって頭皮も硬くなります。すると、頭皮の毛細血管に酸素や栄養がうまく運ばれなくなり、薄毛や抜け毛の原因に!」(美香さん)

新型コロナウイルス感染拡大によって、日常の生活が一変してしまった4月、5月の影響が徐々に出始めている今、早い方なら頭皮のかゆみや乾燥、抜け毛、うねりなど様々なトラブルに悩まされているかもしれません。そんな時こそ対策として強化したいのが頭皮ケア。汚れをしっかり除去して栄養が行き渡る環境に整えることが重要なのだそうです。

美髪への一歩は頭皮から!

髪を育む頭皮にはたくさんの皮脂腺があり、皮脂分泌が活発に行われています。その分泌された皮脂が髪に馴染んでツヤの元になるのですが、余分な皮脂がしっかりと取り除かれていないと汚れが毛穴を詰まらせ、細菌が繁殖しやすくなります。それによってニオイやかゆみといった炎症など、様々な頭皮や毛髪トラブルの原因になることも!

「健やかな毛髪を育てる土壌である頭皮の血行を良くすることは、美しく健康な髪を育て、保つための基本のお手入れ。まずはしっかりと汚れを取り除き、血行を促進させて、頭皮にたっぷりと栄養を届けることが大切です」(美香さん)

頭皮の血流が悪くなると髪に栄養が行き渡らず、髪全体のハリや弾力が失われます。さらに夏の紫外線や海水でダメージを受けた毛髪はいつも以上に悩みが増えるもの。そこで、美香さんのおすすめは週に1回の頭皮クレンジング。シャンプー前に一手間加えるだけで頭皮環境が整うので、ぜひ習慣づけてみて。

プロダクトを使い分けて頭皮クレンジングを習慣に

「シャンプーだけでは落とし切れない皮脂や汚れは、頭皮専用のスカルプケアアイテムにおまかせ!マッサージをしながら頭皮を洗うことで、血行が促進されて頭皮が柔らかくなり、顔のリフトアップ効果も期待できます」(美香さん)

保湿力が高く、髪や毛穴に栄養を与えるオイルタイプは、頭皮の汚れを落としながら血行を促進して健やかな状態に導いてくれます。吸着力のあるクレイタイプなら頭皮の中の不純物を取り除き、デトックス効果も期待できそう。ほかにも頭皮の角質を絡めとって清潔にしてくれるスクラブタイプや、血行を促進する炭酸タイプ、手軽にクレンジングができるシャンプータイプなど、悩みや頭皮環境に合ったものを選んでしっかりと使い続けましょう。

「クレンジング後のシャンプーは、指の腹を使い、頭皮の毛穴を揉むようにして、丁寧に洗うことを心掛けて。頭皮用マッサージグッズを使うとスムーズに洗えるのでおすすめです。洗い残しが多い耳周りや側頭部をしっかりほぐせば、血液やリンパの流れも改善し、疲れも一掃。頭全体が軽くなり、フェイスラインのたるみ予防にもなります」(美香さん)

ブラッシングで頭皮に刺激し血行アップ

簡単にできるおすすめのスカルプケアは毎日のシャンプー前にブラッシングして、頭皮に刺激を与えること。ブラッシングをする時、頭皮にブラシの先をあててゆっくり優しい圧をかけながらマッサージするように行いましょう。血液の巡りを良くすることで、顔の血色もアップ。リンパの流れが良くなると、むくみ解消にもつながります

育毛剤を賢く取り入れて健康な髪を手に入れる

昔から女の命といわれている髪。それが様々な原因で抜けてしまうということは、女性にとって辛く苦しい問題です。女性の抜け毛は、頭頂部や額の生え際といった一部分から薄くなっていく男性と違い、全体的に髪の毛が抜けて少なくなっていくことが多いため、自覚症状が出た段階ではすでに深刻な状態になっていることも。

女性が美しく豊かな髪を保つためには一本一本の髪を太く、しっかりと育てることが重要です。そのためには、今ある髪をハリとコシのある健やかなものに育てる“育毛”がポイントとなります。

「女性の毛周期は男性よりも長く、4〜6年と言われています。役目を終えた休止期の髪の下には、新生毛が控えています。新しい髪が生えてくる前に頭皮の土壌を整えることで、健康な髪が生えやすくなります」(美香さん)

そこで、抜け毛予防や発毛促進の一環として頭皮環境改善に有効な育毛剤を取り入れましょう。かつては男性のものというイメージが強かった育毛剤も、今では、女性ホルモンに働きかけるものや毛細血管を拡張するもの、ダイナミックな細胞分裂を促すものなど女性用のものも多く販売されています。

育毛剤を使用する際、頭皮マッサージを同時に行うとさらに効果的。血行を良くすることで、頭皮環境を改善し、毛根や頭皮に栄養を行き渡らせることができます。

「ストレスが多い現代では、抜け毛をはじめとする頭皮の悩みは若い女性にも急増中。症状が軽いうちにケアをすることで、改善する可能性も格段に上がります。若いから、まだ薄毛になっていないからといって油断は禁物。育毛剤はこれから生える毛髪にも働きかけます。髪や頭皮の状態をこまめに確認し、育毛剤を上手に使ってケアしておきましょう」(美香さん)

ちなみに、スペシャルケアとしてクリニックを活用するのもひとつの選択肢。美香さんが主宰するアマータでは、「頭皮と毛髪のお悩み」のあらゆる原因を分析し、要望に合った施術や育毛治療を提供。ヘアサロンと医療機関が最強のタッグを組んだ実績のある内容が評判を呼んでいます。

体の内側からも髪と頭皮に栄養を

「理想は、良質なビタミン、ミネラル、タンパク質、炭水化物をバランスよく摂取すること。抜け毛を防止するβカロテン、髪の生成に必要なビタミンB群、丈夫な髪へと導くビタミンC、血流を促して頭皮への栄養の供給を高めるビタミンE、女性に不足しがちな鉄分や亜鉛といったミネラルを積極的に摂取しましょう。食事で摂った栄養はまず脳や内蔵に回ります。そのため、栄養不足になると頭皮や髪に十分な栄養が行き届けられなくなり、発毛サイクルの乱れが起こります。そのためにもバランスがとれた食事を心掛けて、十分な栄養をきちんと摂取することが必須。食事だけでは不足しがちな栄養はサプリメントで補うのも賢い方法です」(美香さん)

いつまでも健やかで美しい髪と頭皮を保つには、日々の外側からのケアに合わせて、体の内側からのケアも大切です。食生活を整え、十分な睡眠をとるなどライフスタイルの見直しを心掛けて。

美香/「AMATA」オーナー・毛髪診断士®・ビューティ・プロデューサー
文化服装学院卒業後、約10年間ファションザイナーとして活躍。2002年、ファッションデザイナーから転身し、大人のためのヘアサロン「AMATA」をオープン。「頭皮と毛髪のお悩み」のあらゆる原因を分析し、要望に合った施術や育毛治療(TURNING)を提供。時代のニーズに合ったヘアケアの提案に定評があり、ビューティのオピニオンリーダーとして製品プロデュースやコンサルティング、講演などでも活躍。業界屈指の美しい黒髪がトレードマーク。

AMATA(アマータ)
住所|東京都港区南青山6-4-14 INOX AOYAMA 5F
営業時間|月〜土11:00〜21:00 日・祝10:00〜19:00
定休日|火・水
電話番号|03-3406-1700
www.pro-feel.net

美香さん愛用のヘアケアプロダクト

美香さんの愛用のヘアケアプロダクトの一部。手前から時計回りに:アッカカッパ プロテクションブラシ No.946、メゾンレクシア ヘアオイル グリーンレメディ、ビロードオイル「アーバン アーユルヴェーダ」、シロ ニーム頭皮セラム、オーウェイ サンウェイ サンプロテクティブ エリクサー、オーウェイ モイスチュアライジング アンチ ポリューション ローション、オーウェイ カラープロテクション ベール、資生堂プロフェッショナル ザ・ヘアケア アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス、シロ ニーム頭皮クレンジングオイル、シスレー ヘア リチュアル プレシャンプー ピュリファイング マスク、シスレー ヘア リチュアル ヘア プロテクティブ フリュイド、タカコスタイル パントレックス5、オサジ スキャルプミスト、オーウェイ ヘアロスレメディ、オーウェイ プラント&ミネラルリフレッシュ

メゾンレクシアのヘアオイル「グリーンレメディ」

メゾンレクシアのヘアオイル「グリーンレメディ」は、さらっとした使用感が特徴。軽くタオルドライしてから少量をつけて乾かすと、まとまりやすいしなやかな髪に。ブラッシングや乾燥によるダメージを受けやすい毛先までしっかりと包み、滑るような手触りを実感できます