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ムスクは、別名「麝香(じゃこう)」ともいい、昔は媚薬効果がある香料として珍重されていました。その香りは甘く、多くの人々に愛されています。香水の成分としてよく使われるムスクですが、配合する原料によってさまざまな呼び名があります。ここでは、ムスクの特徴や種類、季節ごとのつけ方に加え、おすすめのムスクの香水を紹介します。
目次
ムスクの深みのある甘い香りは「温かみのある」「動物的」「官能的」などと表現されます。そのような香りのムスクはどのようにして作られているのでしょうか。まずは、ムスクの原料や香りがもたらす効果についてお伝えします。
ムスクは、香水を作るのに欠かすことのできない成分であり、もとはジャコウジカから採取されていた天然の香料です。香りの甘さ・拡散性・持続性が珍重され、多くの香水に使用されてきました。しかし、ジャコウジカが絶滅寸前となったため、取引が禁じられ、天然の動物性ムスクはほとんど手に入らなくなってしまいました。
それに代わり登場したのが合成ムスクです。合成ムスクには、大きく分けて大環状ムスク・多環状ムスク・ニトロムスク、脂環状ムスクの4種類があり、どのムスクを配合するかは製造会社によって異なります。現在販売されているムスク系香水のほとんどが、この合成ムスクを原料にしています。
昔の中東の国々では、気持ちをポジティブにしたり落ち着かせたりする療法にムスクが使われていました。心身の疲れや緊張をほぐしリラックスさせるその甘い香りは、現代でも多くの人に愛されています。「ゴージャスかつ官能的」と捉える人も多く、異性を惹き付ける香りともいわれています。
配合方法や配合比率によって様々な香りの香水を作ることができるムスク。そのため、ムスクの名が付く香水は数多く存在しています。ここでは、香水の原料であるムスクの代表的な種類や特徴について紹介します。
ムスクの中でもよく知られており、耳にすることも多いのがこのホワイトムスク。多くのムスク系香水に使用されています。香料の正式な成分名というより、動物性の天然ムスクを代替する合成ムスクの通称として用いられることが一般的。清潔感のある石鹸のような香りからホワイトムスクと呼ばれています。天然のムスクをイメージさせる、深みのある高貴な香りが特徴です。
カシミアとは、保湿や保温効果の高いカシミアヤギの毛を使用した上等の織物です。そして、ふんわりとした手触りのカシミアをイメージして作られたのがこのカシミアムスク。ほんのりと優しく広がる、根強い人気のある香りです。
ムスクの中でも強く官能的な香りのレッドムスク。女性だけではなく男性にも人気があります。個性的な香りなので、香水をある程度使い慣れている方におすすめ。「暖炉のような温かさを感じたい時に使う」「眠りにつく時に楽しむ香りとして使う」という方もいます。
香水をつけてから15分程度までの香りはトップノートと呼ばれ、このトップノートで香水の第一印象が決まります。クリスタルムスクは、トップノートが控えめで、さりげなく香りが広がる柔らかなムスクです。香りが甘く持続性があるため、様々なムスク系香水に使われています。
ムスクの典型的な香りを楽しめる、甘く優しいパウダリームスクは多くの人気を集めています。高級感のある大人の雰囲気を演出する香りで、香水のほかにもフレグランスシート(香りを楽しみたい場所や小物の下に敷くシート)などに使用されています。パウダリームスクが香るフレグランスシートは、メイクボックスやカードケースに入れたり、靴箱や玄関の香り付けに使用したりと幅広く愛用されています。
森のように爽やかな落ち着いた深い香りで、男性用の香水にもよく使用されているウッディムスク。柔らかく甘い雰囲気が特長で、ホワイトムスクよりも優しい香りを求めている方にもおすすめです。
ムスク特有の甘さにベリー系の甘酸っぱさが加わったブラックベリームスク。少女のような可憐さと深い温かみを感じる香りで、個性的なムスクを好む方におすすめです。
甘い香りのムスク系香水には珍しく、爽やかな柑橘系の香りが特徴のマンダリンムスク。ムスク系の香りが好きな方は、数種類のムスクを体験した後にマンダリンムスクを試してみると、面白い気分転換になるかもしれませんね。
日本は四季の移り変わりとともに、気候や着用する衣類も変化します。香水の香り方も季節と密接な関係があるといわれており、季節に合わせてつけ方を変えるとより香りを引き立たせることができるでしょう。ここでは、季節に合わせてムスクの香水をつける際のポイントについてお伝えします。
春は開花の季節。花の香りが次第に強くなり花粉が舞い始めるので、香水のにおいが薄くなりがちです。また暖かくなって空気が乾燥すると、香水の成分が飛びやすくなり、香りが長続きしにくくなります。そのため、ムスク系香水をつける時は普段より量を少し多めにし、早めにつけ直すのがおすすめです。
夏は暑さで体温が高くなりやすく、香水が香りやすい季節。少なめにつけても十分香ります。さらに湿度が高い季節なので、ムスクのような甘い香りは、強く香らせるよりほのかに香る程度が好ましいでしょう。また汗ばむ時期でもあるので、蒸れやすい部分につけると、香りが汗や体のにおいと混ざってしまいます。そのため、身体を清潔に保ち、手首など汗をかきにくい部分につけるのがおすすめです。
秋になると夏の暑さが和らぎます。夏に少なめにしていた香水の量を普段どおりに戻してみましょう。だんだんと涼しくなって厚着になる頃には、秋の雰囲気にぴったりの重厚なムスクの香水を試してみるのもよいでしょう。
また、秋は衣替えの季節。夏の間締め切っていたクローゼットの衣類に防虫剤などのにおいがこもっていることもあります。クローゼット内の秋服をチェックしてにおいが気になる時はクリーニングや洗濯をしておくと、香水の香りと混ざらず安心です。
冬は体温が低くなるので、香水が香りづらい季節。服装も厚着になるので量を少し多めにしたり、しっかりとしたムスクの香りを選んだりといったポイントを押さえておきましょう。また、香りは下から上へ上昇する性質があるので、手首だけでなく、膝の裏などにつけるのもおすすめ。スプレーで上着にも香水を軽く吹きかけておくと、脱いだ時にほのかな香りを楽しむことができます。
メゾンレクシアには、高い品質のフレグランスが揃っています。そのなかから、女性の魅力を引き立てる選りすぐりのムスクの香水を紹介します。
爽やかなシトラスや華やかなフレッシュローズの香りが、多面的な女性の魅力を引き出すオードパルファム。ベースノートに甘く温かなトンキンムスクが香り、毎日に心地よくフィットします。
美しいアジアの仙郷からインスパイアされたオードパルファム。マンダリンがフルーティーに香るトップノートから華やかなチュベローズやジャスミンの香りへと移り、ベースノートにはスパシーなパチュリやムスクといったオリエンタルな香りが広がります。
しっとりと甘く大人の女性の魅力を引き立てるムスクの香水。心を落ち着かせるその香りは、多くの女性達を魅了してきました。加えて、ムスクの香りは種類が豊富。他の香りと混ぜ合わせることで、様々な香りが楽しめます。ぜひご自身の感性にフィットするムスクの香りや香水をみつけてください。