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アールグレイの香りづけとして広く知られているベルガモット。みずみずしく爽やかな香りは、香水の香料としても人気があります。また、アロマにも用いられ、精神安定やストレスケア、安眠などの効果があるといわれています。今回は、女性から人気の高いベルガモットの香りが楽しめる香水の選び方やつけ方、おすすめの香水を紹介します。
目次
爽やかな香りのベルガモットは、ミカン科の柑橘類。その果実は生食用ではなく、ほとんどが香料として使われています。特に女性の愛用者が多いといわれるベルガモットの香りについてみていきましょう。
イタリアが原産地のベルガモットは、紅茶の香りづけとしてよく知られています。紅茶の中でも特にベルガモットの豊かな香りを楽しめるのがアールグレイで、アイスティーにぴったりです。
ベルガモットの名前は、イタリア北部の「ベルガモ」やスペインの「ベルガ」などの地名が由来となっているといわれていますが、諸説あります。ゆずのように皮がボコボコとしているのが見た目の特徴で、果肉には苦み成分のフラボノイド配糖体がグレープフルーツの1.5倍ほど含まれています。日本はイタリアよりも湿気が多く寒暖の差が激しいため、一般家庭での栽培が難しく、ほとんどは専門の栽培農家によって作られています。
柑橘系の香りの中でも落ち着きがあるベルガモットは、みずみずしく爽やかな香りとフローラル系の香りを合わせたような、上品で洗練された雰囲気が特徴です。香水としてだけではなく、アロマオイルやルームフレグランス、お酒の香りづけなどにも使われています。
アロマオイルとしても人気の高いベルガモットの香りには、気分を落ち着ける効果や安眠効果があるといわれています。また、消化を助ける働きや殺菌作用による美肌効果などもあると考えられています。
気持ちが前向きになる爽やかな香りなので、もやもやした気分の朝や、考えごとがある時などにベルガモットの香水を纏うと良いでしょう。緊張を和らげて、ストレス解消やリフレッシュに役立ちます。
ベルガモットの香りはほかの香料とも相性が良く、さまざまな香水に配合されています。数ある中から、自分に合ったベルガモットの香水を選ぶためのポイントをみていきましょう。
香水は下記の4種類に分けられます。
オーデコロン
さっぱりとした香りが多いオーデコロン。持続時間が短く、気分をリフレッシュしたい時に気軽にひと吹きできるので、お気に入りの香りを1つ持っていると便利です。
オードトワレ
種類が豊富で、日常使いしやすいオードトワレ。軽い香りが多いので、プライベートからオフィスまで幅広いシーンで纏えます。
オードパルファム
しっかりとした香りを楽しめるオードパルファム。香りの与える印象が強いので、プライベートやパーティーに向いています。
パルファム
奥行きを感じる香り立ちのパルファム。少量でも濃厚に香り、長時間楽しめます。
香りの濃度によって、相手に与える印象も変わります。香水によって香りの変化や持続時間が違うため、選ぶ際は濃度もチェックしましょう。先ほど紹介した4種類の香水は「賦香率(ふこうりつ)」と呼ばれる、アルコールに香料を溶かした割合で分類されています。購入に迷った時は、賦香率を目安にするのも一つの方法です。
オーデコロン
賦香率:3~5%
持続時間:約1~2時間
オードトワレ
賦香率:5~10%
持続時間:約3~4時間
オードパルファム
賦香率:10~15%
持続時間:約5時間
パルファム
賦香率:15~25%
持続時間:約半日~1日
ひと口にベルガモットの香水といっても、ブランドによってベルガモットの配合量に違いがあり、香りが異なります。ベルガモットの配合量により香りが強く出るタイプや、ほかの香りのアクセント程度に広がるタイプもあります。また、ブレンドする香料によっても、洗練された大人の雰囲気、爽やかな清涼感のある雰囲気など印象が変わるので、購入する前に、どんな香りなのか実際に試してみましょう。
メゾンレクシア ジンズ ウインド オーデコロン
トップノートにブラッドオレンジやベルガモットの爽やかな柑橘系の香りが広がるオーデコロン。次第にみずみずしいローズの香りへと変化し、最後はグリーンとバニラのあたたかな香りが安らぎを与えます。
メゾンレクシア パス トゥ エレガンス オードパルファム
レモンやベルガモットといったみずみずしいシトラスの香りから、華やかなウッディフローラルへ。そして、温かく甘いベースノートへと変化するオードパルファムです。
メゾンレクシア エッセンス オブ ザ サン オードトワレ
ネロリ・ベルガモット・ラベンダーをブレンドし、フレッシュで爽やかな香りが広がるオードトワレ。ローズとジャスミンの繊細で気品のある香りを経て、最後にサンダルウッドやバニラの香りが包み込んでくれます。
せっかくの香水もつける場所やつけ方を間違えると、相手を不快にしてしまうことがあります。ここでは、ベルガモットの香りを爽やかに楽しむために、香水の上手なつけ方を紹介します。
香水は揮発性があるため、体温が高く汗をかきにくい場所は香りやすくなります。しっかりと香らせたい時は、耳の後ろやうなじ、ひじの内側など、太い血管が通っている部分につけるのがおすすめ。一方、温度が上がりにくい場所につけると香り立ちを抑えて楽しめます。こちらは、ベルガモットの香水をより上品に香らせたい時におすすめです。また、香りは下から上へと立ち上る性質のため、下半身につけるとほのかな香りを楽しむことができます。
同じ香水でも、体温や汗を書く量によって香り方が変わります。体温が高い人は香水が強めに香り、汗をかきやすい人は汗のニオイと香水の香りが混じりやすいので、つける量を軽めにすると良いでしょう。
持続時間が約1~2時間のオーデコロンは香りやすいように、素肌に直接ひと吹きするのがおすすめです。
一方、オードトワレやオードパルファムは、香りの濃度は低いですが、つけた瞬間の拡散性の高さが特徴。そのため、人に会う直前につけるのは避けましょう。また、相手に対して香りがきつくなり過ぎない、腰から下や背中にひと吹きするのもおすすめです。
香りの濃度が高いパルファムは、肌の近くで香る性質があります。手首やうなじなど脈を打つ場所につけ、体温であたためて香らせるのがおすすめです。
香水は時間の経過とともに香りが三段階に変化します。それぞれの特徴を押さえ、香りの移り変わりを考えてつけると、ワンランク上の楽しみ方ができますよ。
トップノート
つけた瞬間の香り、香水の第一印象ともいえるのがトップノート。つけてから約10分ほど持続する香りです。ベルガモットを含む柑橘系の香りは揮発性が高いため、トップノートに楽しめることがほとんど。ただ、重ねづけすると香りがきつくなることもあるので注意しましょう。
ミドルノート
香水に含まれるアルコール分が蒸発し、香料本来の個性が楽しめるミドルノート。つけて約30分後から香りはじめ、約2時間後まで持続するので、ミドルノートをメインで香らせたいならば、外出する30分前に香水をつけて調節しましょう。
ラストノート
香水をつけてから2時間を経過する頃には、残り香ともいわれるラストノートに変化します。香水の種類によって持続時間は異なり、フローラル系はトップからラストまで約12時間、ウッディ系は約24時間も香りを楽しめるといわれています。
一般的に、肌に直接つけることが多い香水ですが、ほのかな香りを楽しみたい人は、香りを小物に忍ばせてみてはいかがでしょうか。香水をつけたコットンをインナーに挟む、ハンカチに一吹きするといった方法でも香りを楽しめます。小物からベルガモットの上品な香りが漂うたびに、心が満たされそうですね。
気持ち良く香りを楽しむために、避けたい香水のつけ方も押さえておきましょう。
髪の毛に直接
髪の毛はついた香りが取れづらいので、おすすめできません。また、香りは下から上へ立ち上るため、体の上部分ではなく下部分につける方が効果的です。
服に直接
香水を服に直接つけるとシミの原因となってしまうのでおすすめできません。服に香りづけしたい時は、香水をひと吹きしたハンカチを服に押しあてて香りを移しましょう。
つけすぎに注意
いつも同じ香水を使っていると香りに慣れてしまい、気づかぬうちにつけ過ぎてしまうことも。つける量やつけ直す回数に注意し、ほのかに香る程度に留めておくと上品な印象を与えます。
爽やかで上品な雰囲気が魅力のベルガモットの香水。心を落ち着かせ、気持ちをリフレッシュさせるその香りは、ファッションの一部として楽しめるだけではなく、心も明るく華やかにしてくれます。毎日の生活の中で癒しがほしい時に、ベルガモットの香水をひと吹きしてみてはいかがでしょうか。